獅子吼会の教え・特色

釈尊、大聖人、日隆聖人、日扇聖人の教えが中心ですが、創立以来、一貫しているのは「有り難う」の精神です。

  1. 「有り難うございます」の挨拶
    当会では、挨拶を交わす時、必ず「有り難うございます」と言います。「有り難うございます」には、3つの意味が込められています。

    イ、 文字通り感謝の気持ちを表す。
    誰もが持たねばならない心です。
    「ありがとう」は世界中、どこでも共通している言葉です。
    ロ、 漢字で「有り難い」は、有り難(にく)い、とも読む。
    この世に生を受け、今、有るのも、本当は有り難(にく)いこと。
    普通のことが、普通に出来るのは当たり前ではない、有り難(にく)いこと。それらに感謝。
    ハ、 「有り難う」を逆さに読めば「難(なん)有(あ)る」。
    苦しみ、悲しみ多きこの世。しかし苦しみ、悲しみがあればこその、楽しみ、喜び。
    迷いや、悩みは誰にでもあります。これを克服し、乗り越える努力をする過程を経て人は成長する、と思えば、悩みはなんと有り難いことか。
    苦しみは、楽しみを生む、産みの苦しみ。「難有って」有り難いと感謝。何事も「喜びに思いを変える」ことです。
  2. 反省、感謝、努力
    反省の心を持つことは大事。何かに失敗した時、ただ不運として嘆くのではなく、その原因をまず突き止めること。
    失敗の原因は他にではなく、必ず己にあるのです。
    深い反省の中にこそ、感謝の念が生じるのです。
    反省、感謝の心が生じると、自ずから精進の意欲が起こり、実行へと向かう。しかし、再び失敗することもある。
    常に反省、感謝、努力の繰り返しが必要なのです。

  3. 知恩報恩の実践
    私たちは、あらゆる恩恵いただいて、今在る。
    恩を知り、恩に報いることは人の人たる道です。


  4. 1粒の麦の種をまくとします。種は、肥料、水、太陽、お百姓さんなどの縁に助けられ、実を結ぶのです。同じ種をまいても、縁が異なると同じ収穫は得られないでしょう。
    いかに縁が大切かということです。悪縁を退け、努めて良い縁に触れるよう心がけましょう。

  5. 給仕奉公
    私たちは、大聖人の直弟子・日朗聖人の流れをくむ教団です。日朗聖人の教えの第一は、給仕奉公。身を以てご法に尽くすということです。

  6. 化他即自行の菩薩行
    日扇聖人は「妙法蓮華経の極意は、人を助けんと行ずれば、我が身も助かる菩薩行なり」と示されました。
    他を利する喜びは、己を利する喜びよりも、はるかに大きなものです

  7. お助行
    人は、時として悩み、苦しみ、病気にも罹かります。
    そうした時、私たちは、その人が悩み、苦しみから解放されるように祈ります。
    病人に対しても、特に手術などの時は、手術中、何時間でも御題目を口唱し、一心込めて祈願します。この祈願を「お助行」と言います。本人自ら祈るのは「正行」です。

  8. お任せ
    信仰の根本は、ご法さまに全てをお任せすること。勿論、願い、目標を達成しようとする時、自ら努力実行することはいうまでもありません。その結果は、全てをご法さまにお任せするということです。仮に不本意な結果になったとしても、時間が経つと、あのことがかえって良かった、お陰さまだった、と思うことがあるものです。

  9. 慈悲と根気と負けん気

  10. 啓運(けいうん)
    「啓運」とは、自らの努力で道を開くという意。
    会祖の一生は「啓運」に象徴されています。しかし「啓運」の陰には、たゆまぬ忍耐、即ち「能忍(のうにん)」の一生でもありました。私たちの大切な心構えです。

  11. 能忍(のうにん)
    「能忍」とは、能(よ)く忍ぶの意。
    人生苦あり。苦を能く忍ばねばならぬ、ということです。
    不平、不満を持ちながら忍ぶのではなく、
    柔和忍辱といい、穏やかな心で、能く忍ぶことが大事なのです。
    二祖日琇(にっしゅう)聖人(以下二祖)の一生は「能忍」に象徴されます。しかし「能忍」の中にあっても「啓運」の心があればこそ、三度の危篤を乗り越え、数々の大業を達成出来たのです。私たちの大切な心構えです。

  12. 食偈(じきげ)
    「天の三光に身を温め 地の五穀に魂を養うは これみな国土の恩なり 南無妙法蓮華経」
    --私たちは、天の三光(太陽、月、星)、地の五穀(米、麦、粟、ひえ、豆)をはじめ、あらゆる恩恵の上に、心身共に生かされている。しかも、国土が安泰であればこそ。--
    この感謝の気持ちを込めて、食事の前に食偈を唱えます。
    食物をタベモノと言うのは、古来、神々・あらゆる自然からの「賜(た)ぶ物」即ち、賜(たまわ)り物ということからだそうです。
    一人の力では生きていけない、あらゆるお陰さまをいただいて、生かされているという心を持ちたいものです。

  13. 道理・文証・現証
    宗教は、その正邪を判断すべき定義が必要です。
    一つは、世間の道理、常識に適っているかどうか。
    二つは、教えの基本となる教義上の証拠があるか、学問上、証拠立てられるか。
    三つは、信じ行じた結果として、道埋と文証の裏付けられた確固たる現証(事実、事象)が得られるかどうか。
    宗教は、道理、文証、現証の三つが揃っていることが大事なのです。

  14. 常盆・常彼岸
    毎日が彼岸でありお盆である、という考えです。

以上、14項目を列挙しましたが、あくまでも一部です。